臨床心理士に関するQ&A

臨床心理士や大学院の課程、入試についてよくある質問と回答についてここではご紹介します。

Q. 大学の学部で心理学を学ばないといけないのですか? 短大・専門学校出身の場合はどうなりますか?

4年制の大学を卒業していることが前提となります。学部・学科の指定はありませんので、
例えば理系の学部を卒業した後に指定大学院に入学することは可能です。
短大や専門学校卒の場合は大学に編入するなどして、4年制大学を卒業しなければなりません。

Q. 臨床心理士の資格を取るためにはどれくらいの期間・費用が必要ですか?

4年制大学を卒業しており、1種指定の指定大学院に入学することを前提にすれば、
大学院で修士過程を修了した年の10月頃に臨床心理士試験があり、
合格すれば次の年の4月に臨床心理士資格が与えられます。
したがって、通常であれば修士課程の2年+1年=3年の期間が必要です。

費用については、大学院の学費では2年間で100~200万以上と大学院ごとに大きな開きがあり、
臨床心理士の受験・登録には10万円程度かかります。
もちろん大学院在学中の書籍代なども、主要な出費となります。

ただ、大学院生になると比較的奨学金の貸与を受けやすくなるので、多くの学生が利用しており、
大学院によっては授業料の減免措置などを受けることができるところもあります。

Q. 臨床心理士の年収や給料はどれくらいですか?

年収はおよそ300~400万円程度の人が半数を占めるとされています。
非常勤の職を掛け持ちする場合が多いものの、もちろん常勤職として勤務している人も多くおられます。
ただ、金銭的になかなか余裕がある状態になるまでには、それなりの経験と時間が必要とされる場合が多く、
専門職として自分を磨いていく覚悟がなければ仕事としてやっていくことは難しいといえるかもしれません。

Q. カウンセラーになるためには臨床心理士の資格は必須なのでしょうか?

臨床心理士とは」にも記載したように、臨床心理士は国家資格ではありませんので、
カウンセラーという仕事をするための必須の資格ではありません。
臨床心理士は文部科学省が公認している資格という意味で、世間的に最も信頼があるのは現状です。

 しかし、特にスクールカウンセラーなど公的な機関が募集する仕事では、臨床心理士資格の所持が
必須となることがほとんどで、何より研修・訓練のカリキュラムが指定大学院では整っているので、
カウンセラーになるための準備をするための事実上のスタンダードだといえるでしょう。
民間のカウンセラーでは、臨床心理士のような公的な保証がなく信頼が得にくかったり、実際問題として
研修機会が臨床心理士と比べて極端に少なくなるので、その面では民間カウンセラーは不利といえます。

Q. 臨床心理士になりたいのですが、自分の年齢が気になります。

実は臨床心理士指定大学院では、社会人を経て入学される方も多くおられます(学校毎に偏りがあります)。
60歳を超えている方も少なくありませんし、年齢についてはそれほど気にする必要はありません。
それぞれの年齢での良さが出せる職業だといえるでしょう。