臨床心理士の活躍の場について

臨床心理士の活躍の場について、ここではご紹介します。

職域は、教育領域・医療領域・産業領域・司法領域・福祉領域・私設心理相談領域と幅広く、
様々なところで臨床心理士が働いています。

教育領域

全国の公立小中学校に1996年より派遣されているスクールカウンセラーや大学の学生相談室が挙げられます。
小中学校では特に、教職免許で働く教職員集団の中で一人だけ臨床心理士として働くことになるため、
ある意味で孤独な職場といえるかもしれませんが、うまく教職員の方々と仲良くなって連携し、
他専門職として子どもたちとかかわったり、他専門職としての見解を教職員とシェアしたり、
保護者面接を行ったりと様々なことを要求される職種です。

医療領域

心療内科や精神科をはじめとしたクリニック・病院などの心理士があります。医師の管理下では、
臨床心理技術者という名前で保険適用の心理検査を行うことができるので、心理テスト専門のテスターとして
働いている方も数多くおられます。また、保険診療内ではできませんが、自費診療として・もしくは
病院側のサービスとして、カウンセリング・心理療法を行う場合もあります。
デイケアやナイトケアといったところで他専門職と協働することもあります。

産業領域

EAP(Employee Assistant Program;従業員支援プログラム)と呼ばれるものがあり、
それを内部に抱えている企業で被雇用者のメンタルヘルスに関わる一員として、カウンセリングや心理テスト、
電話カウンセリングなどを行います。内部にEAPを抱えていない企業に関しては、外部EAP機関と呼ばれる企業に
属することで、その外部EAP機関と契約を交わしている企業の被雇用者のメンタルヘルスに関わることができます。
ただ、まだまだ産業領域は未成熟であるといえるでしょう。

司法領域

司法領域は、公務員が主な職種になってきます。例えば法務教官や家庭裁判所調査官などは、
教育学・心理学・社会学を修めたものが受験できるようになっているため、それらの領域で働く臨床心理士もいます。司法領域も産業領域と同じく、まだまだ未成熟な領域といえるでしょう。

福祉領域

福祉領域では、保育園に派遣される保育カウンセラー、公務員である児童相談所の心理判定員などが挙げられます。
高齢者関係ではまだまだ働く場所は少なく、これからの開拓が望まれます。

私設心理相談領域

私設心理相談領域とは、元々「開業領域」と呼ばれていたものです。臨床心理士は、自らのカウンセリングルームを
開き、地域に開かれたカウンセリングルームを運営していくこともできます

カウンセリングや心理療法という言葉は徐々に広まりつつはありますが、まだ完全に身近なものとは
なりえていないため、カウンセリングルームを訪れる人も全国的にまだまだ少数です。 それと同じく、
私設心理相談を行っている臨床心理士の数もまだ少なく(特に都市圏以外)、これからの発展が望まれる領域です。